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【先に結論】
会社を辞めずに、別の会社の社員になる。これは「在籍出向」ならあり得る話や。元の会社との雇用関係を残したまま、出向先とも雇用関係を持って、そっちで働くんやねん。
ただし、会社が二つになっても給料が二倍になる話やない。元の会社に籍があることと、希望どおりの時期やポストに戻れることも別やで。
「辞めてへんのに、よその社員? なんやその二股みたいな働き方は」
そう思うわな。せやけど、浮気の話やのうて人事の話や。しかも50代には、笑って聞き流せん話やねん。
役職定年が近づいた頃に、子会社や関連会社への出向を打診される。
「経験を生かしてほしい」と言われても、頭の中では「それ、片道切符ちゃうんか」という声が鳴る。
ここで出向を全部「人生終了」にしてしまうんも、全部「新天地で大活躍」にしてしまうんも、話が雑や。
今日は、二つの会社に雇われる仕組みと、自分が引き受ける条件を分けて見ていこか。最後には、人事の説明を聞くときの質問も、そのまま使える形で置いとくで。
社員は一人、雇用関係は二つ。これが在籍出向や
厚生労働省の「在籍型出向支援」では、在籍型出向は出向元と出向先の両方と雇用契約を結ぶ仕組みとして説明されとる。
2026年10月12日時点で確認した公式の説明や。ここは会社員の都市伝説やないで。
たとえば、A社に在籍したままB社へ出向し、B社の仕事をする。A社との関係が消えて、B社だけの社員になるわけやないんや。
ほんで、よう混ざるのが「転籍」と「派遣」やねん。
- 在籍出向:元の会社との雇用関係を残し、出向先とも雇用関係を持つ働き方や。
- 転籍:元の会社との雇用関係を終え、移る先の会社と雇用関係を結ぶ話や。
- 派遣:派遣元に雇われて、派遣先の指揮命令を受けて働く仕組みや。派遣先とも雇用関係を持つ在籍出向とは違うねん。
言葉が似とっても、元の会社とのつながりがどうなるかは大違いやで。
二つの雇用関係があるからといって、二社から満額の給料を受け取るという意味にはならへん。
給与の支払い方や費用の負担は、出向の取り決めで確認することや。会社の数を数えるより、自分に払われる額と、どこが何を受け持つかを見ようや。
役職定年そのものも、雇用が終わる定年退職とは別や。その境目が曖昧やったら、役職定年と定年の違いも先に押さえとこか。
「籍は残る」と「帰る席がある」は同じやない
仕組みが分かったら、次に気になるんはここやろ。
「元の会社の社員でもあるんなら、いつか帰れるんやな?」
その一言で安心する前に、出向期間と復帰の取り決めを見てほしいねん。
籍が残っとるという説明だけでは、いつ戻るんか、期間を延ばすことがあるんか、戻ったらどんな仕事をするんかまでは分からへん。
せやから「在籍出向やから必ず元の部長席へ戻れる」とも、「50代やから絶対に戻れへん」とも、ここでは言えん。
片道切符が怖いんは分かる。でも、往復と書かれた切符でも、帰ってきた駅に昔の椅子が置いてあるとは限らんわな。
いや、椅子くらい自分で買える。問題はポストや。ニトリでは売ってへん。
笑い話にしたけど、確認したいんはほんまにそこやねん。
「戻れるか」だけやのうて、「どんな条件で、どこへ戻るか」まで聞く。これで話が具体的になるで。
人事への質問例なら、こんな感じや。
「今回の出向期間と、延長を決める時期を確認したいねん。復帰するときの所属や仕事は、どういう決め方になるんやろ?」
これはケンカを売る質問やない。家族に説明するにも、自分の働き方を考えるにも、必要な確認や。
元部長として言うとく。辞令一枚で人間の値段は決まらへん
ワシは、飛ばす側の会議に座っとった人間や。
そのときに語られとった配置の理由は、仕事の成果だけやなかった。人間関係が悪化して、周りの仕事に影響することを気にする話もあったんや。
これはワシが見た配置の話であって、すべての出向理由が同じやと言うてるんやないで。
ただ、辞令を受けた本人が「自分の能力も、人間としての価値も、全部否定された」と受け取るんは、背負いすぎやと思うねん。
会社は人を動かす。受け取る側は、自分の人生を動かされたように感じる。
この温度差は大きいわな。決める側におったワシが、軽く「気にするな」と言うたら、それこそ腹立つと思う。
ワシ自身、役職定年で部長職を外れた。今も働いとるけど、肩書きが変わったときの景色は、前と同じやなかった。
せやからこそ、「会社が自分をどう呼ぶか」と「これから自分が何をするか」は分けて考えたいねん。
左遷されたと感じる痛みや、配置を決める側で見た話は、50代の左遷について書いた記事で詳しく話しとる。
今日いちばん伝えたいんは、気持ちを押し殺すことやない。気持ちが揺れとるときほど、仕事と待遇の条件を手元に残そうっちゅうことや。
出向先の「部長」という二文字より、五つの中身を見ようや
「向こうでも部長で迎える予定や」
そう聞くと、ちょっとホッとするやろ。ワシも「部長」という二文字には反応する。長年使うた肩書きは、なかなか耳から抜けへんねん。
せやけど、同じ部長でも、決められること、任される仕事、相談できる相手は会社ごとに違う。
名刺を見ただけで仕事内容まで分かった気になると、あとからしんどいわな。
これは仮の例やけど、会議では部長として意見を求められるのに、予算も人員も決められへん。そんな役割なら、責任と権限のすり合わせが先や。
ワシなら、次の五つを紙に書いて確認するで。
- お金:基本給、賞与、出向手当、交通費はどうなるんか。役職定年による変更と、出向による変更を分けて聞くんや。
- 時間と場所:勤務地、通勤、転居の要否、勤務時間、休日はどうなるんか。肩書きより毎日の生活に効くところや。
- 仕事と権限:何を任され、どこまで決めてええんか。困ったとき、誰に相談するんかも聞いとこ。
- 期間とその先:出向の終了・延長・復帰をどう決めるんか。将来の転籍を想定した話があるなら、そこも確認や。
- 評価と待遇の窓口:誰が評価し、昇給や賞与にどう反映するんか。有休、退職金、保険などの取り扱いも担当窓口に確かめようや。
これは全員に同じ答えが当てはまるチェック表やない。自分の条件を、口頭の雰囲気だけで理解したつもりにならんための質問やで。
出向だけで給料が何割下がるという共通の数字は、今回確認した公式資料では示されてへん。自分の会社の説明と書面で判断するところや。
「給料は今までどおり」と言われても、何を含めて今までどおりなんかを聞こう。基本給の話なのか、賞与や手当を含む話なのかで、家計への影響は変わるわな。
出向初日に持ち込むなら、昔の威厳より「何を手伝えるか」や
条件を確認して出向することになったら、今度は新しい職場との付き合いやねん。
そこでいきなり「本社ではこうやっとった」と始めると、相手のやり方を聞く前に、自分の昔話で部屋がいっぱいになる。
経験を持っていくんはええ。せやけど、昔の会社のルールまでセットで押し付ける必要はないわな。
ワシなら、最初はこの三つを聞くところから始めたい。
「今、いちばん困っとる仕事は何やろ?」
「ワシに任せたいことと、まだ触らんほうがええことを教えてもらえるやろか?」
「最初の一か月で、何ができたら助かるんやろ?」
この三つは質問例やで。ワシが出向して成功した会話を再現しとるわけやない。
ここで大事なんは、相手の仕事を知ることや。教える順番を考えるより先に、教えてもらう順番を作るねん。
担当部長になったワシにも、仕事がなくて何をしたらええか分からん時期があった。
具体的な指示がない中で、自分の経験をどこに使えるかを考えて、組織に貢献できる仕事を見つけていったんや。
出向先でも同じ結果になるという保証はない。でも「昔は何を任されとったか」から「今ここで何に使えるか」へ、問いを変えることはできるわな。
昔の威厳まで荷造りしたら、荷物が重すぎるで。経験は持っていく。威厳は、必要なら現地で組み立てようや。
納得できへんときは、返事の前に事実をそろえよう
出向の説明を聞いて、どうしてもおかしいと感じることもあるやろ。
「嫌やから拒否できる」「辞令やから全部従うしかない」。どっちか一言で片づけるんは危ないねん。
厚生労働省の労働契約ポータルサイトでは、出向の権限や労働条件の整備、権利濫用の判断について説明されとる。転籍には本人の合意が必要とも示されとるで。
出典:厚生労働省「労働条件の変更」(2026年10月12日確認)
個別の辞令が有効かどうかを、この記事だけで決めることはできへん。
説明された日時、渡された書類、変更される条件、自分が確認したことを残して、社内の相談窓口や労働組合に相談しようや。
社外なら、厚生労働省の総合労働相談コーナーも相談先になるで。行き先に困ったら、こういう窓口で整理する方法もあるんや。
ほんで、会社に残るか出るかを考えたいなら、役職定年後の五つの選択肢を比べてみてや。
よくある質問:50代の出向で気になるところ
Q1:在籍出向なら、元の会社へ必ず戻れるん?
籍が残るという仕組みだけでは、希望する時期やポストへの復帰までは分からへん。出向期間、延長の決め方、復帰の取り決めを確認しようや。
口頭で「いずれ戻れる」と聞いたなら、具体的な条件を説明してもらうところからやで。
Q2:役職定年後の出向は、給料が半分になるん?
全員に当てはまる減額率は言えへん。役職定年による給与変更と、出向に伴う待遇を分けて、基本給・賞与・手当まで確認するんや。
ほかの人の年収より、自分に提示された書面が判断の材料やで。
Q3:出向と転籍、返事するとき何が違うん?
在籍出向は元の会社との雇用関係を残す仕組みで、転籍はそれを終えて移る先に雇われる話や。転籍には本人の合意が必要と、厚生労働省も説明しとる。
名称だけで判断せず、元の会社との契約がどうなるんかを確かめよう。不安が残るなら、書類を持って相談するんやで。
第三者と働き方を整理したい人には、キャリアコーチングと転職エージェントの違いもまとめとる。お金を払うサービスを選ぶ前に、目的と費用が合うかを確認しようや。
二つの会社に雇われても、自分の人生は一つや
会社を辞めずに、別の会社の社員になる。その不思議の答えは、在籍出向という仕組みやった。
せやけど、仕組みの名前が分かっただけでは、安心して働けるかどうかは決まらへん。
どこに籍があるか。何を任されるか。いくら払われるか。いつ、どう次へ進むか。そこを一つずつ確かめるんや。
本社に残れたら勝ち、子会社へ行ったら負け。そんな採点表だけで、これからの何年かを全部決めんでええ。
ワシも、肩書きが変わって戸惑った側や。せやから、無理に「チャンスや!」と笑うて送り出す気にはならへん。
腹が立つなら、腹が立ったままでええ。その横に、条件を書いた紙を一枚置こうや。
会社が二つになっても、あんたの人生は一つや。両社の都合だけでいっぱいにせんと、自分の暮らしの都合も、その紙に書いてええねん。
現実は厳しい。でも人生はまだ続く。
まずは「出向期間と、その先の扱いを確認したい」。その一言からでええで。