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【先に結論】シニアアドバイザーとは、役職定年で管理職を外れた社員に会社が付ける肩書のひとつや。決裁権は無くなって、若手の相談役に回るのが一般的で、担当部長・専任部長と呼ぶ会社もある。ただし実際に変わるんは仕事の中身より「扱い」のほうで、いちばんこたえるんは頼られへんようになることや。
辞令に書いてあった。名刺も刷り直した。
せやけど、その肩書で自分が何をするんかは、誰もきちんと説明してくれへん。
「聞こえはええけど、要するに上がりのポジションってことやろ」
そう思て検索したんちゃうか。
先に正直に言うとくわ。
ワシの肩書は「担当部長」や。シニアアドバイザーやない。
せやけど中身は同じもんや。会社によって担当部長になるか、専任部長になるか、シニアアドバイザーになるかが違うだけで、「管理職を外れた人間に、会社が付ける肩書」いう一点では、まるっきり変わらん。
せやから、この後に出てくるワシの話は、ほんまに食らったことばっかりや。
シニアアドバイザーには「2つの意味」がある。あんたのはどっちや
検索して出てくる説明が、どうも自分の話とちゃう気がせんかったか。
それもそのはずや。この言葉、まったく別の2つの意味で使われとる。
ここを分けとかんと、いつまでも自分の話にたどり着けへん。
ひとつ目:元役員や元官僚が就く「社外顧問型」
ネットで「シニアアドバイザー」を調べると、まずこっちが出てくる。
元社長、元役員、元官僚みたいな人が、非常勤で会社に呼ばれて、経営陣に助言する立場のことや。
肩書きだけ聞くと立派やし、実際そういうポジションもある。
ただ、これはごく一部の人の話や。あんたが辞令でもらったやつとは、たぶん別モンやで。
ふたつ目:役職定年組に付く「社内肩書型」
こっちが本題や。
役職定年で管理職を外れた社員に、会社が新しく用意する肩書。これもシニアアドバイザーと呼ばれる。
呼び名は会社によってバラバラで、担当部長、専任部長、参与、フェロー——中身はだいたい同じや。
この記事は、ここから先ずっとふたつ目の話や。
同じ言葉でも立場がまるで違うから、そこだけ間違えんといてや。
肩書が変わって、ワシの何が変わったか(実体験)
ここからはワシの話や。
先に言うたとおり、ワシの肩書は担当部長やった。せやけど「管理職を外れた人間に付く肩書」という点では、シニアアドバイザーとまったく同じ立場や。
正直に言うとな、仕事の中身より先に、扱いのほうが変わった。
部長席から一般席へ。決裁権はまるごと消えた
まず、席が動いた。
部長席から、一般席へ。
そして決裁権や。これはもう、まったく無くなった。
今は部長がやっとる。
一部だけ残るとかやのうて、まるごとや。
会議の中心から「オブザーバー」へ
会議も変わった。
前は会議の中心におった。仕切って、決めて、責任を持つ側や。
それがオブザーバー的な存在になった。
同じ部屋におって、同じ資料を見とる。せやけど、決める側やない。
呼ばれへんようになった場が、いくつかある
それと、行事や。
プロジェクトのキックオフで挨拶することが無くなった。
安全祈願にも、呼ばれへんようになった。
誰かに「来んでええ」と言われたわけやない。ただ、声が掛からんようになった。
面と向かって言われるより、こっちのほうがこたえる。
いちばんこたえたんは、頼られへんようになったことや
席、会議、決裁、行事——並べたら4つや。
ほんで、この4つを全部くぐったあとに残ったもんは何やったかというと、これや。
頼られへんようになった。
相談が来んようになった。判断を求められんようになった。
肩書が変わるいうんは、席の話でも、決裁の話でもなくて、結局これのことやったんやと思う。
この立場での日々の立ち回りについては、こっちで詳しく書いとるで。
会社がこの肩書をわざわざ作る、ほんまの理由
ここまで読んで、こう思わへんかったか。
「ほな、なんで会社はわざわざこんな肩書を作るんや」
これはな、感情の話やのうて、制度の話で説明がつく。
70歳まで働ける時代の、ほんまの中身
よく「法律が変わって70歳まで働けるようになった」と言われる。
半分ほんまで、半分ちゃう。
厚生労働省によると、70歳までの就業確保措置が定められたんは令和3年(2021年)4月1日からや。せやけどこれは努力義務で、厚労省自身が「70歳までの定年年齢の引上げを義務付けるものではありません」とはっきり書いとる(2026年8月時点)。
一方で、65歳までの雇用確保措置のほうは「義務」や。こっちは会社に選択の余地がない。
▼出典:厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」
- 65歳まで: 義務。会社は必ず何らかの措置を取らなあかん。
- 70歳まで: 努力義務。「努める」だけでええ。
この差が、けっこう大きい。
義務やない部分は、会社が自分の都合のええように設計できるいうことやからな。
会社側の都合で設計された再雇用で、給料激減と理不尽な扱いに耐えかねて「もう63歳で辞めたい」と思てるなら、年金前の生活防衛術をまとめた63歳で仕事辞めたい!再雇用で限界のシニアが逃げ切る生活防衛術も参考になるはずやで。
「モチベーションのため」という建前と、現場で起きること
会社の説明は、だいたいこうや。
「経験を活かしてもらうため」「若手の育成のため」「モチベーションを保ってもらうため」。
嘘やとは言わん。ほんまにそう考えとる人事もおる。
ただ、現場で先に起きるんは、管理職のポストが一つ空くということや。
下が詰まってる組織で、上を動かさな回らへん。その受け皿として肩書が要る。
きれいごとと、そろばん。両方あるのがほんまのとこやと思う。
まあワシも部長の頃は配置を決める会議に座っとったから、「ひどい話や」なんて言えんわな。単に順番が回ってきただけの話やねん。
この立場になったら、どう立ち回るか
制度の話が分かったところで、ほな明日からどうするかや。
ワシがしくじりながら覚えたことを、2つだけ書いとく。
年下上司との距離の取り方
この立場になると、たいてい上司が年下になる。
ここで最初にやってまうのが、聞かれてへんのにアドバイスすることや。
良かれと思て言うてまうねん。「昔はこうやった」「そこはこうしたほうがええ」。
これがな、いちばん煙たがられる。
ワシの結論は「聞かれたら答える、聞かれへんかったら黙っとく」や。これだけで、だいぶ空気が変わったで。
▼役職定年で年下上司の下についたあんたへ。イラッとする正体は「聞かれへんかった」や
「老害」と言われへんための線引き
もうひとつは、これや。
肩書に「アドバイザー」と付いとるからいうて、助言が求められとるとは限らん。
肩書は会社が付けたもんで、周りが「この人に聞こう」と思うかどうかは別の話や。
そこを取り違えると、あっという間に煙たい人になる。
ワシもだいぶ危なかったし、正直、今も気を抜いたらやってまいそうになる。
▼シニア社員はなぜ「うざい」「老害」と言われるのか|昭和価値観との向き合い方
その肩書を「社外でも通じる経験」に変えるには
ここまで、しんどい話ばっかりしてきた。
せやけど、ひとつだけ言うとくことがある。
社内で頼られへんようになったことと、あんたの経験に値打ちが無いことは、まったく別の話や。
社内での「頼られ方」は肩書に付いとる。肩書が外れたら、そら減る。
ただ、30年かけて覚えた段取り、揉め事の収め方、数字の読み方——これは肩書に付いとるもんやない。あんたに付いとる。
問題は、それが社内でしか通じん言葉になってしもてることや。
社外の人と話してみたら、自分の経験がどこで値打ちになるんか、案外あっさり分かることがある。焦って動く必要はないけど、選択肢を知っとくのと知らんのとでは、腹の据わり方が全然ちゃうで。
その手の相談先の違いは、こっちで整理しとる。
よくある質問
Q1. シニアアドバイザーの英語表記は?
そのまま “Senior Adviser” と書くことが多いんやけど、これがなかなかややこしい。
日本語の「相談役」の英訳として “Senior Adviser” が使われることがあって、「顧問」は “advisor” や “executive advisor”、「参与」は “Counselor” や “Consultant” と訳されたりする。
ただ正直なところ、顧問や相談役みたいな役職は日本独特のもんで、英語にぴったり同じ言葉が無い。
せやから名刺の英語表記は、会社の総務に確認するのがいちばん確実や。ここは見栄を張るとこやないで。
Q2. シニアアドバイザーと顧問・専任部長は何が違うんか?
はっきり言うと、会社によって違う。法律で決まった職名やないからな。
同じ「管理職を外れた人」に対して、A社は専任部長、B社はシニアアドバイザー、C社は顧問と呼ぶ。それだけの話のことも多い。
せやから他社の肩書と比べて落ち込む必要はないし、逆に安心する必要もない。見るべきは名前やのうて、決裁権があるかどうか、誰に相談が回るかのほうや。
役職定年後に使われる肩書は、こっちで一覧にしとるで。
▼役職定年後に肩書きはどない変わる?よく使われる肩書と役割を紹介するで!
まとめ:肩書は返しても、頼られ方は自分で作り直せる
シニアアドバイザーいう肩書について、ワシの分かる範囲で正直に書いてきた。
もう一回だけ整理しとくで。
- 言葉に2つの意味がある: 社外顧問型と、役職定年組に付く社内肩書型。あんたのはたぶん後者や。
- 変わるんは仕事より扱い: 席、会議での立ち位置、決裁権、呼ばれる場。
- 制度の裏側: 70歳までは努力義務。義務やない部分は会社の裁量になる。
- いちばんこたえるとこ: 頼られへんようになること。
正直、ええ話では終われへん。
席は戻ってこんし、決裁権も戻ってこん。前と同じ頼られ方は、たぶんもう来えへん。
現実は厳しいわ。
せやけどな、人生はまだ続くんや。
会社の中での頼られ方が終わっただけで、頼られること自体が終わったわけやない。ワシもまだ、その作り直しの途中や。
同じところで足踏みしとるんやったら、こっちも読んでみてや。
▼【保存版】役職定年で悩む50代サラリーマン必見!人生再設計の5つのステップ
肩書が無くなって初めて、自分自身に何が残っているかが見えてくるもんや。……まあ偉そうに言うたけど、ワシもまだ模索の真っ最中やけどな(笑)。
お互い、ボチボチやっていこや。